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zoom RSS よく噛んで食べる事は目の健康にも良い?

<<   作成日時 : 2018/12/14 12:58   >>

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食べ物や栄養をスムーズに消化・吸収・利用するためには、よく噛んで食べる必要があります。ここではよく噛んで食べる事による効果について私なりにまとめてみます。

唾液の持つ重要な役割について


顎を閉じて何かを噛み締める事を「咀嚼」と言いますが、咀嚼をすると、口の中にある唾液腺から「唾液(プチアリン)」が分泌されます。唾液はいわゆる「ツバ」と同じものなので、汚いイメージを持っている人も多いかもしれませんが、この唾液は胃液などと同じく消化液の一種であり、糖を分解して消化しやすくするという重要な役割があります。つまり口に食べ物を入れた時点で、既に消化は始まっているのです。

また水分の少ない食べ物は、そのままでは喉及び食道を通りにくいですが、唾液は水分を豊富に含んでおり、食べ物を湿らせ、喉〜食道及び胃へ運びやすくする役割もあります。それは結果として喉や食道の表面を守る意味もあり、不用意に粘膜を傷つけて免疫力が低下するという事も防いでくれます。

その他、唾液には口の中を乾燥から守り、それによって菌の増殖を抑え、虫歯や歯周病などを予防する事もできます。特に唾液には歯の再石灰化も促す役割があり、これによって歯の健康を維持しています。たかが唾液ですが、このようにその役割は非常に重要なものなのです。


唾液は消化の最初のステップである


糖は「多糖類」「少糖類」「単糖類」に分ける事ができます。この内、多糖類は糖の分子がたくさん連なったもの、少糖類はそれが少ない状態で連なっているもの、そして糖の中で最も単純な構造をしているのが単糖類です。この内、少糖類は連なった糖の数によって分けられ、それぞれ四糖類、三糖類、二糖類があります。

人間は単糖類の形でしかエネルギーとして利用する事ができません。つまり多糖類や少糖類はそのままの形では利用できないので、まず唾液によって少しずつ分解しながら胃や腸へと送る必要があります。胃へ送られた糖は胃液によって分解、続く十二指腸(小腸)では膵液や腸液によって更に細かく分解されます。そうして最終的には全てが単糖類になり、そこでようやく吸収する事ができます。尚、実際に栄養素の吸収を行うのは小腸です。

殆どの唾液は腸へ運ばれる頃には失活してしまいますが、唾液がなければ「少しずつ分解する」という前段階がなくなってしまうので、吸収される直前になってまとめて分解・吸収する事になります。これが血糖値の急上昇を招く原因になっていると言われています。血糖値は高い状態が続くと細い血管を詰まらせる事があり、目の健康に良くありません。つまりよく噛んで食べる事は、結果として目の健康を維持するために必要な事なのです。

ちなみによく聞く糖の名前を挙げてみると、例えばデンプン・グリコーゲン・デキストリンは多糖類、少糖類の内、ショ糖(スクロース)・乳糖(ラクトース)・麦芽糖(マルトース)が二糖類、果糖(フルクトース)・ブドウ糖(グルコース)が単糖類です。例外として数個の単糖類同士が結合した「オリゴ糖(少糖類の一種)」もあります。一方、多糖類の中では消化酵素では分解する事ができない種類の糖もあり、それが「食物繊維」と呼ばれています。すなわち食物繊維は糖がたくさん連なった糖の一種なのです。それを区別するため、食物繊維を含む糖の事を「炭水化物」と呼び、炭水化物の中でも食物繊維を除く糖の事を特に「糖質」と呼んでいます。


高血糖も良くないが低血糖も良くない


多糖類や少糖類は単糖類と比べれば分解・吸収は緩やかで、血糖値も上がりにくいです。しかし前述のように吸収される際にはどんな糖も単糖類として吸収されるため、一度に大量の多糖類を摂取すると、吸収される際に血糖値が大きく上がってしまいます。もちろん糖をたくさん摂取しても、その糖がしっかりと細胞内へ取り込まれれば良いのですが、全ての細胞が糖を欲しているとは限らず、吸収し切れなかった多くの糖が行き場を失う事になります。糖は短期的なエネルギーとしては優秀ですが、長期的には不安定なでの、余った糖は時間経過と共に少しずつ「エネルギーとして長期に安定している脂肪」へと変換されていきます。それが肥満へと繋がる訳です。

一方、人体が利用できる単糖類には「果糖」と「ブドウ糖」がありますが、ブドウ糖はインスリンを介して細胞内へ吸収されます。ブドウ糖は消化・吸収は非常に速く、すぐに細胞のエネルギー源として利用する事ができます。しかしその吸収の速さから、「血糖値の急上昇→インスリンの大量分泌→逆に血糖値が急低下→血糖値を上げようとアドレナリンなどのホルモンが分泌→血糖値が安定化するまでそれを繰り返す・・・」という事が起こり、体に大きな負担がかかる場合があります。ちなみに果糖はインスリンを介さずに吸収されるため、そのような血糖値の上下動は起こりませんが、余剰の果糖は脂肪酸の合成を促すと言われています。

特に注意すべきなのはインスリンによって血糖値が急激に下がった時、その下がり幅が大きいほど「糖が不足していると勘違いする事がある」という事です。つまり実際には細胞は既に糖を得ている状態なのに、血糖値が急激に下がる事で脳や体が勝手に糖を欲してしまい、強烈な空腹感が訪れる事があるのです。それが糖を多く含む食事にハマってしまう一つの理由になっていて、そのような状態になると次の食事までの間隔がどんどん短くなり、食事の量や回数が増えていきます。当然それは肥満の原因になるでしょう。

更に、それが進行するとインスリンを分泌する機能が壊れたり、インスリンが分泌されてもインスリン自体の機能が低下していたり、あるいはインスリンを受け取る側の細胞の受容器が鈍くなったりして、自力では血糖値を下げる事が難しくなっていきます。それがいわゆる「糖尿病」と呼ばれる状態です。「血糖値」と聞くと「高いと危険」という印象が強いのですが、そのように「インスリンの過剰分泌による低血糖」も実は糖尿病のサインとなる事があります。


糖尿病は様々な病気の引き金になる事がある


高血糖の状態が長時間続くと、血液がドロドロの状態になり、血管内をスムーズに流れる事が難しくなります。それによって特に流れの速い場所では血液が血管の壁を傷つけてしまう事があり、それが血栓(血の塊)の原因になります。血栓は小さければすぐに溶けてしまいますが、ある程度の大きさでは溶けずにそのまま流れる事があり、まず細い血管を詰まらせ、そこから先にある細胞の機能を低下させます。既に塩分過多や水分代謝異常などによって高血圧になっていれば、更にそのリスクを高める事になるでしょう。

そうして血管の壁が傷ついた時、流れが早い血管ほど新陳代謝は活発なので、通常であればすぐに修復されます。しかし何らかの原因で、傷ついた場所に過酸化脂質が沈着し増殖する事があり、それが血管の壁に強く張り付いてしまう事があります。それがいわゆる「動脈硬化」の一種で、これが起こると血管は厚く・硬く・脆くなり、そして内部は細くなります。そこに偶然大きな血栓が到達すればその血管を詰まらせ、そこから先の細胞を壊死させる事もあります。進行すると、次第に生命活動の維持に必要な臓器でも起こるようになり、それが心臓で起こるのが心筋梗塞、脳で起こるのが脳梗塞です。

ここまで言うと大げさに思えますが、食事は毎日欠かさず行うものです。例えば1日3回食事をしていれば1年だけで1095回もの積み重ねがあります。前述のように「咀嚼」は糖の消化・吸収において重要な過程の一つであり、数年間にも及ぶ食習慣の積み重ねは我々が想像する以上に大きなものです。単に「噛む」だけと軽んじるべきではありません。


よく噛んで食べる習慣は美容にも繋がる


現代人は柔らかい食べ物を食べる機会が増え、顎を使わなくなって来ていると言われています。特に現代の日本人は一度の食事で行う咀嚼の回数が大きく減っており、単純に食べる量の多い欧米人と比べ、子どもの顎の発達が遅れる傾向があるそうです。成長過程で上手く顎が発達しない場合、単純に顎が大きくなりません。「顎が小さい」という事は「顔が小さくなる」という事でもあり、日本人とっては嬉しい事かもしれませんが、顎が小さくなると「大人の歯」が生える事のできるスペースが狭くなり、「歯並び」は確実に悪くなります(大人になってからでは保険適用外で歯列矯正するしかない)。

歯並びが悪くなると、食べ物を上手く噛み砕く事ができなくなり、食べ物を柔らかくできないまま、喉・食道・胃へ運ぶ事になります。それによって喉・食道・胃の表面を傷つけてしまう事があり、特に喉では免疫力の低下に繋がる事があります(タバコやお酒があれば物理的なダメージも蓄積する)。また単純に消化も悪くなるため、胃腸では消化液の分泌量が増え、胃炎や胃潰瘍などにもなりやすくなります。更にこれは前述しましたが、咀嚼では唾液が分泌され、唾液には糖を分解する役割があります。噛み合わせが悪くなると咀嚼の回数が減るため、唾液の分泌が悪くなり、血糖値を不安定化させる原因にもなります。

その他、歯並びが悪くなると、人によっては口を上手く閉じる事ができなくなります。それによって口の中が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病、口臭の原因になる事がある上、口の周りの筋肉が衰える事では顔の皮膚のシワやたるみ、成長過程では「顔の形成」にも大きな影響を及ぼします(睡眠中の蓄積が大きい。特にうつ伏せは歯並び悪化・顎関節症の原因となる)。更には口呼吸が習慣化する事で異物の侵入頻度が増え、免疫力の低下やアレルギー体質になる場合もあります。

ちなみに噛み合わせが悪い事では、肩コリ、猫背、頭痛、力み(脳の血管にダメージ)の原因になるという事も言われています。将来的な意味でも、小さい頃からの積み重ねは非常に重要なものです。

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